三浦瑠麗は基本的に弱者に対する配慮が無いから、何をやっても何を語ってもチグハグになる。
だから経済重視と言っても、決して「経世済民」ではない。自分の経済、自分の儲けのみで、旦那の商売の擁護と応援に行きついてしまう。
それで自分さえ強者になればいいと、権力に擦り寄っていき、そのやり方でいままでは順調にやっていたわけだ。
もしも安倍晋三が生きていたら、東京地検も手を出せなかったかもしれないし、三浦はそこまで考えて安倍に近づいていたのかもしれない。だとしたら、安倍と近しかったからレイプ犯罪を握りつぶしてもらえた人物と何も変わらないことになる。
事実、被害者の伊藤詩織さんが加害者を告発し始めた時に、三浦は「これを短絡的に政権批判に結び付けてはいけない」などと発言しており、こいつ伊藤さんのことなんか何ひとつ同情していないなとわしは思った。
ところが、伊藤さんの著書『Blace Box』の帯の推薦文を、版元の文藝春秋社は三浦瑠麗に書かせたのだから、呆れてしまった。
三浦はこうやって、バカな業界人を巧みに騙すことに非常に長けていた。「リベラル」と言っても、商売の「自由」だけで、自由を奪われた弱者の「人権」には配慮しない。
ステータス思考の塊となり、セレブ気取りで自分を「勝ち組」として演出することだけ考えていたら、10億円もの詐欺をやっても良心が痛まない人間になってしまうというのがすごい。
六本木ヒルズからは、犯罪者は立ち退きになる。ホリエモンは刑期を終えて帰ってきたというのに、それでも「前科者」ということで追い出されたというから、いずれ三浦夫妻も立ち退かされることになるだろう。
三浦瑠麗に限らず、全面的に意見が一致する知識人なんかいないのだから、一部でも合うところがあれば、それを最大限に尊重しようという姿勢で、わしはこれまで知識人や政治家たちと接してきた。だがもう落胆することの方が多いようで、疲れてきた。
そしてわしは、これまでどれだけの人に騙されてきただろう?
一度、「小林よしのりは何故、人に騙されるのか?」というテーマで書いても面白いかもしれない。 (『小林よしのりライジング』2023年1月24日号より一部抜粋・文中敬称略)
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image by: 防衛大学校ホームページ, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons