電力先物、静かな滑り出し=出来高は原油下回る-東商取
電力先物の取引が17日、東京商品取引所で始まった。サウジアラビアの石油施設への攻撃で電力の燃料となる原油相場が急騰し、その影響が懸念されたが、静かな滑り出しとなった。1日の出来高は合計24枚と、中東産(ドバイ)原油の約2万枚を大きく下回った。
電力需要の多い平日午前8時から午後8時までの「日中ロード」10月決済物は、東エリアが1キロワット時当たり10円90銭の初値を付け、目安として事前に設定した基準値段(11円)を下回った。終値は10円60銭。西エリアは終日、取引が成立しなかった。
電力先物は、将来の月単位の価格を想定して取引する。電力自由化で参入した新電力の多くは発電施設がなく、卸市場で調達しており、天候などによる価格の乱高下が経営の圧迫要因になっていた。先物が普及すれば新電力の経営が安定し、電気料金の低減をはじめ電力会社間の競争活発化にもつながると期待されている。(2019/09/17-17:24)