青葉容疑者、回復傾向に=聴取めど立たず、解明に時間-18日で2カ月・京アニ放火

2019.09.18
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by 時事通信

放火殺人事件があった「京都アニメーション」第1スタジオ=17日午前、京都市伏見区

放火殺人事件があった「京都アニメーション」第1スタジオ=17日午前、京都市伏見区

 アニメ制作会社「京都アニメーション」第1スタジオ(京都市伏見区)で35人が犠牲になった放火殺人事件は、18日で発生から2カ月。全身に大やけどを負い入院中の青葉真司容疑者(41)=さいたま市見沼区、殺人容疑などで逮捕状=は生命の危険がある重篤な状態を脱した。ただ、依然として集中治療室(ICU)に入っており会話ができる状態ではなく、事情聴取のめどは立っていない。事件の動機や経緯の解明には時間がかかりそうだ。
 青葉容疑者は7月18日午前10時半ごろ、第1スタジオに侵入してガソリンをまき、火を付けたとされる。自身も全身に大やけどを負い、京都市内の病院から設備の整った大阪府内の病院に移され、皮膚移植手術を受けるなどしてきた。
 捜査関係者によると、青葉容疑者は医師の問い掛けの内容を理解し、うなずいたり、首を振ったりするようになった。回復傾向にあるものの、寝たきりの状態が続く。府警は35人に対する殺人容疑、他の35人に対する殺人未遂容疑などで逮捕状を取得しているが、留置に耐えられる状態にならないと執行できない。府警幹部は「退院までだいぶかかるのではないか」と話す。
 身柄確保時、「小説を盗まれたから火を付けた」という趣旨の話をした青葉容疑者。京アニには過去に、同容疑者と同姓同名の人物から2点以上の小説の応募があり、府警は青葉容疑者によるものとみている。インターネット掲示板には昨年秋、「京アニに現行(原文のまま)落とされた」「爆発物もって京アニ突っ込む」などの書き込みがあった。府警は同容疑者の自宅から押収したスマートフォンやタブレット端末などの解析を進めているが、関連は明らかになっていない。
 今月17日、現場で祈りをささげた京都府木津川市の会社員桑田浩平さん(30)は「海外からの支援も厚く、京アニは日本の素晴らしい会社なんだといまさらながら思う。アニメ業界をけん引する会社として頑張ってほしい」と話した。(2019/09/18-07:09)

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