米イランの橋渡し、不透明に=サウジ攻撃で緊張高まる-安倍首相

2019.09.17
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by 時事通信

 日本政府は、サウジアラビアの石油関連施設への攻撃を「テロ」と非難した。中東地域の緊張緩和に向けて米国、イラン双方に対する外交努力は継続する方針だが、敵対する両国が武力衝突することへの懸念は強まっている。首相が目指す橋渡し役に不透明さが漂う。
 首相は17日の自民党役員会で、国連総会出席のため23日から訪れる米ニューヨークでイランのロウハニ大統領と会談すると説明、「中東情勢の緊張緩和に向けた議論を行う」と語った。中東にエネルギーを依存する日本にとって、この地域の安定は不可欠。6月にイランを訪問した首相は、中東問題に引き続き積極的に関わっていく考えで、ニューヨーク滞在中にトランプ米大統領との会談も予定している。
 首相は、米国とイランの双方との良好な関係を生かし、両国首脳による初会談を実現させたい考え。しかし、米国は石油関連施設攻撃にはイランが関与したとの見方を示し、報復攻撃も辞さない構えだ。一時芽生えたかに見えた対話の機運はしぼみ、首脳会談の実現は見通せていない。
 イランを後ろ盾とするイエメン反政府武装組織フーシ派による犯行声明を受け、外相は15日、「テロ攻撃を強く非難する」との談話を発表した。日本政府は、情勢を注視しながら慎重に対応する構えで、茂木氏は17日の記者会見で、フーシ派の攻撃と断定していないと補足した。
 米国が強めるイラン関与説について、官房長官も17日の会見で「米国をはじめとする関係国と連携しながら情報収集、分析を進めている」と述べるにとどめた。(2019/09/17-17:48)

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