住宅被害1万棟超=災害ごみ処理苦慮-台風被害23日で2週間・千葉

2019.09.23
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by 時事通信

台風15号で発生した災害ごみを分別する業者の男性=20日、千葉県鋸南町

台風15号で発生した災害ごみを分別する業者の男性=20日、千葉県鋸南町

 台風15号が首都圏に上陸し、千葉県の広範囲で停電や断水、住宅被害が発生してから23日で2週間になる。県などによると、損壊などの被害を受けた住宅は約1万2000棟。依然として約3100戸で停電、約1100戸で断水が続いており、約100人が避難所生活を余儀なくされている。
 県によると、住宅被害は全壊75棟、半壊997棟、一部損壊1万587棟。床上浸水は47棟、床下浸水は67棟に上る。最も被害件数が多い鋸南町では、2007棟が損壊や浸水被害を受けている。
 住宅被害に伴い、壊れた屋根やがれきなどの災害ごみが大量に発生し、各自治体は処理に苦慮している。22市町が計33カ所の仮置き場を設置しているが、それ以外の場所に集められるケースもあるという。
 住宅被害の大きかった鋸南町岩井袋地区では、道路脇に大量のがれきやごみが積まれていた。生活ごみも混じっており、町が委託した業者が手作業で分別し搬送した。
 地区に住む男性(75)は、自宅の屋根が暴風で吹き飛ばされ、家の中が浸水し多くのごみが発生。「親戚も手伝ってくれて、ようやく(ごみが集められている所まで)運べた」と話した。業者の男性(48)は「燃えるごみに引火すると二次災害になってしまう。早く運ばなければいけないが、分別に時間がかかっている」と困惑する。
 県はこれまで、仮置き場運営や収集運搬の支援のため、8市町に職員延べ136人を派遣。担当者は「災害時のごみ処理が未経験の自治体もあり、支援要請が多い」と話している。
 県は17日から災害義援金の募集を開始し、これまで600万円余りが集まっているという。(2019/09/23-07:06)

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