陸前高田に津波伝承館が開館=震災の教訓、後世に伝える-岩手

2019.09.23
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by 時事通信

津波で壊れた消防車などの展示物を見学する「東日本大震災津波伝承館」の来館者=22日、岩手県陸前高田市

津波で壊れた消防車などの展示物を見学する「東日本大震災津波伝承館」の来館者=22日、岩手県陸前高田市

 東日本大震災の教訓を後世に伝える「東日本大震災津波伝承館」が22日、岩手県陸前高田市で開館した。国や市と造る復興祈念公園の主要施設として岩手県が整備を進め、同日から一般公開が始まった。
 常設展示は「命を守り、海と大地と共に生きる」をテーマに、歴史をひもとく▽事実を知る▽教訓を学ぶ▽復興を共に進める-の四つのゾーンで構成。壊れた橋桁や消防車など約150点を展示し、津波の威力の大きさを伝えている。
 シアターでは津波襲来や避難時の様子を記録した実際の映像が流れ、被災者の証言集も置いた。東北地方整備局災害対策室を再現した部屋もあり、震災時の初動対応を動画で知ることができる。
 復興祈念公園内に建設された国営追悼・祈念施設も一部オープンした。追悼施設は岩手、宮城、福島各県で整備が進められているが、利用可能となったのは初めてで、県内外から多くの人が訪れた。
 宮城県亘理町の会社員松井信一さん(49)は「壊れた橋桁を見て津波の恐ろしさを改めて実感した。教訓をどう生かすか、一人ひとりが意識を持っていなければ」と話した。
 伝承館は入館無料で、解説員10人のうち、4人は英語や中国語で対応できるという。(2019/09/23-07:08)

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