価格転嫁に広がる不安=中小・零細ほど困難に-消費増税

2019.09.24
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by 時事通信


 10月からの消費税増税を前に、中小企業や個人事業者の間では、増税分を価格にきちんと上乗せできるか不安が広がっている。「値上がり」を嫌う消費者への配慮に加えて、元請け企業が下請けに増税分の負担を強いるケースが続出する恐れもあり、政府は監視を強化する。
 消費税は商品・サービス流通の各段階で仕入れ値と卸値の差額に課税していき、最終的に販売価格に転嫁する仕組み。日本商工会議所が8月に発表した調査によると、消費税率10%への引き上げの一部もしくは全部を「価格に転嫁できない」と答えた中小企業は合計約32%に上った。法人向け取引では計約24%、消費者向けでも計約35%が上乗せできないと回答。売上高が小さい中小・零細ほど転嫁が難しいという傾向が示された。
 増税で消費者心理の悪化が見込まれる中、個人商店や飲食店などでは「値上げによる客離れ」への懸念が根強い。法人相手のサービスや部品を手掛ける企業からは「取引先に増税分の2%相当の値上げを言い出しにくい」「業績の悪化を理由に価格据え置きを求められそうだ」などと懸念する声が国の相談センターに寄せられている。
 前回、消費税率が5%から8%に引き上げられた2014年には、立場の強い元請け企業が「契約の見直し」をちらつかせ、価格据え置きを迫る行為が横行。中小企業庁は13年10月から今年8月末までに、6564社に立ち入り調査を行い、5206社に対して増税分の負担を強いる「買いたたき」や「取引価格の減額」などで指導した。同庁幹部は「今回の増税でも悪質な行為を働く可能性があり、監視を強化する」と語った。
 公正取引委員会は10月以降、取引価格に増税分が適正に転嫁されているかを確認するため、630万に上る中小企業、個人事業者などに書面調査を行う。公取委の山田昭典事務総長は「把握した転嫁拒否行為には迅速かつ厳正に対処する」と表明している。(2019/09/24-07:16)

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