関電会長ら3.2億円受領=福井・高浜町元助役から-「原発マネー」還流か

2019.09.27
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by 時事通信

記者会見で頭を下げる関西電力の岩根茂樹社長(中央)ら=27日午前、大阪市北区の同本店

記者会見で頭を下げる関西電力の岩根茂樹社長(中央)ら=27日午前、大阪市北区の同本店

 関西電力の岩根茂樹社長は27日、大阪市の関電本店で記者会見し、八木誠会長を含む経営幹部の20人が、私的に計3億2000万円分の金品を受け取っていたことを明らかにした。関係者によると、資金提供は金沢国税局の税務調査で判明。福井県高浜町の元助役(死亡)が原発関連工事に絡んで得た資金などを7年にわたり提供していたとされ、「原発マネー」が関電側に還流していた疑いがある。
 岩根社長は「関係者や社会の皆さまに多大なご心配をお掛けし、深くおわび申し上げます」と陳謝。自身も社長就任時に「お祝い」として高価な物品を受け取ったことを認めたが、「トップとして経営責任を果たしたい」と辞任は否定した。
 関係者によると、金沢国税局が昨年、関電の原発関連工事を請け負う高浜町の建設会社の税務調査を行った際、同町の森山栄治元助役(今年3月に死亡)が約3億円を受領していたことが分かった。森山氏は工事受注に絡み、手数料として受け取っていた。
 その後、森山氏から関電の役員側への資金提供が判明。会長ら6人は2017年までの7年間で計約1億8000万円を受け取った。一部は森山氏の存命中に返却したという。森山氏は約3億円について、金沢国税局から申告漏れを指摘され、追徴課税された。
 一方、岩根社長によると、社内調査の結果、役員や社員の計20人が金品の提供を受けていた。金品などは「一時的に預かっていたが、一般的な儀礼の範囲内以外のものは全て返却した」と釈明。幹部らが受領した理由について、「(相手との)関係を維持しながら事業運営をしていくには、あまり強引に(返却)しない方がいいと判断した」とも述べた。
 森山氏は1969年12月に高浜町入りし、総括課長などを務めた後、77年から87年まで助役を務めた。(2019/09/27-13:31)

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