消費増税、揺れた決断=2度延期、使途変更も-安倍首相

2019.09.30
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by 時事通信

 安倍晋三首相は10月1日、任期中2度目の消費税増税に踏み切る。前回の8%への引き上げでは、個人消費の冷え込みを招いた。このため、今回の10%への引き上げに至るまでには、2度の延期や増収分の使途変更など、経済再生と財政再建のはざまで、首相の決断は揺れた。
 首相は2014年4月、税率を5%から8%に引き上げた。旧民主党と自民、公明両党による12年の3党合意に基づく対応だったが、駆け込み需要の反動減は予想以上。首相は「影響は限定的」としていた財務省への不信感を募らせ、10%への再増税に慎重姿勢を強めた。
 首相は消費増税が日本経済に与える影響を検証するため、有識者らによる点検会合を開催。ここでの延期・反対意見や直近の経済指標などを踏まえ、14年11月、消費増税関連法の付則に盛り込まれた「景気条項」に基づき、再増税を15年10月から17年4月に1年半先送りすることを決めた。
 この際、首相は「再び延期することはない」と明言。直後に、重要政策の変更に対して国民の信を問うとして、衆院解散・総選挙に踏み切り、勝利を収めた。
 ただ、個人消費はその後も伸び悩んだ。いら立ちを強めた首相は、16年5月の先進7カ国首脳会議(G7伊勢志摩サミット)で、世界経済が「(08年の)リーマン・ショック前の状況と似ている」と独自の分析を披露。翌6月に10%への引き上げを19年10月に再延期した。
 再延期を否定した自身の発言との整合性については、「これまでの約束とは異なる新しい判断だ」と説明した。
 今回、首相は「予定通り引き上げる」と繰り返し、入念に準備を進めた。国民の理解を得るため、財政健全化などに予定していた増収分の使途を見直し、教育無償化などに充てる方針に転換。景気の腰折れを防ぐため、なども導入した。
 首相は「安倍政権でこれ以上引き上げることは全く考えていない」と断言している。ただ、財政再建の観点から、さらなる消費増税の必要性を指摘する声は根強く、「ポスト安倍」に難しい判断が引き継がれることになる。(2019/09/30-07:14)

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