ポスト安倍、試される力量=沖縄、イージスが難題-河野防衛相

2019.09.29
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by 時事通信

玉城デニー沖縄県知事(右)と会談する河野太郎防衛相=29日午後、県庁

玉城デニー沖縄県知事(右)と会談する河野太郎防衛相=29日午後、県庁

 先の内閣改造で外相から横滑りし、引き続き活躍の機会を得た防衛相。沖縄の基地や、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」設置など安倍政権が抱える難題を指揮することとなり、「ポスト安倍」候補の一人として力量を試される。
 河野氏は29日、就任後初めて沖縄県を訪れ、玉城デニー知事らと会談。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設について、「抑止力を維持しながら普天間飛行場を全面返還するための方策として、一日も早く実現しないといけない」と理解を求めた。これに対し玉城氏は「直ちに埋め立て工事を中断し、県との対話に応じてほしい」とにべもなく、会談は平行線に終わった。
 普天間移設をめぐる政府と県の対立に依然接点が見えない中、辺野古の埋め立て予定海域で軟弱地盤が発覚。県をはじめ移設反対派が抵抗の材料を得た形となり、移設作業の進捗(しんちょく)に不透明感が漂っている。
 政府が秋田、山口両県への配備を目指す陸上イージスをめぐっては、説明資料に誤りがあり、地元が猛反発した。現在、進めている再調査を終えた後の地元との調整がヤマ場となる。
 外相時代の2年間は、巧みな英語力や延べ123カ国・地域を回る積極姿勢などで存在感を示した一方、「軽さ」ものぞいた。新元号決定に沸いた4月、外務省として元号表記をやめる意向を一時示して政権内で不興を買い、外相就任当初から訴えていた外相専用機導入も実現できなかった。今後は、地道な調整作業に汗をかけるかが問われそうだ。(2019/09/29-19:30)

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