同盟写真ニュースを公開=デジタルアーカイブで-新聞通信調査会

2019.10.01
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by 時事通信

1938年6月15日未明、JR熊山駅(岡山県赤磐市)付近で発生した、列車転覆事故の写真。上りと下りの列車が激突し、修学旅行から帰る途中の小学生らが死傷した。(新聞通信調査会提供)

1938年6月15日未明、JR熊山駅(岡山県赤磐市)付近で発生した、列車転覆事故の写真。上りと下りの列車が激突し、修学旅行から帰る途中の小学生らが死傷した。(新聞通信調査会提供)

 公益財団法人「新聞通信調査会」(西沢豊理事長)は1日、時事通信社と共同通信社の前身組織「同盟通信社」が発行していた写真ニュースをデジタル化し、ホームページで公開を始めた。工場や学校などで掲示用に発行されていたもので、1937~45年に発行された1277点を公開した。
 政治や軍事、風俗など多岐にわたる内容で、随所に「陸軍省検閲済」「海軍省許可済」などの記載があり、戦時下の状況がうかがえる。教育版など毎日4~6種類、約10万部が発行されていたとみられる。同会は約1500点を所蔵しており、今後も収集を進め、順次公開していくという。
 写真ニュースとは別に、「ポツダム宣言」の背景分析など海外記事をまとめた「海外電報」1年5カ月分と、通信社の歴史を記した「通信社史」全文も公開した。海外向け英文ニュースや、同盟通信社の内部資料なども公開予定だ。


旧日本軍が英国植民地だったシンガポール要塞を陥落させ、英軍総司令官パーシバル中将が、山下奉文中将に降伏を申し入れた「山下・パーシバル会談」の写真。(新聞通信調査会提供)

旧日本軍が英国植民地だったシンガポール要塞を陥落させ、英軍総司令官パーシバル中将が、山下奉文中将に降伏を申し入れた「山下・パーシバル会談」の写真。(新聞通信調査会提供)

 同盟通信社は36年創設の国際通信社。戦時下で日本政府の対外宣伝などを行い、敗戦後は連合軍総司令部(GHQ)による業務停止命令などを受け自主解散。業務や施設は時事、共同に引き継がれた。
 資料の閲覧は無料で、提供元を明記すれば書籍などにも自由に引用できる。同会は「同盟通信社の活動を知る上で貴重な資料。昭和史やメディア研究に役立つことを期待している」としている。
 ホームページのアドレスは、https://www.chosakai.gr.jp。(2019/10/01-14:33)

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