関電側から30億円超受注=売上高5年で6倍に-元助役に資金提供の会社

2019.10.02
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by 時事通信

 関西電力幹部が福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から多額の金品を受領していた問題で、森山氏に資金提供した同町の建設会社「吉田開発」が、関電側から過去4年間に少なくとも30億円超の工事を受注していたことが2日、分かった。関電は同日午後、問題発覚後2回目の会見を開き、経緯について改めて説明する。
 工事経歴書によると、吉田開発は2014年9月以降の4年間で、関電や子会社から社員寮の改修工事などを直接受注したほか、大手ゼネコンの下請けとして、関電高浜原発(高浜町)や大飯原発(同県おおい町)の土木工事などを受注。敷地造成や道路整備など40件以上に携わっていた。
 森山氏が約30年にわたり非常勤顧問を務めた関電子会社からも、倉庫建設工事を1億5000万円で受注していた。小額案件は経歴書に記載されないため、関電側からの受注はさらに多い可能性もある。
 民間信用調査会社によると、売上高は5年間で6倍超に増えている。13年8月期は約3億5000万円だったが、15年8月期は10億円を超え、18年8月期には約21億8000万円に達した。11年の東京電力福島第1原発事故の影響で原発関連の受注が減少したが、近年は再稼働に向けた安全対策工事などで増収が続いているという。
 吉田開発は、森山氏に原発関連工事受注の手数料などとして約3億円を提供していたことが金沢国税局の税務調査で判明。関電が発注した工事代金の一部が経営幹部に「還流」した疑いもある。(2019/10/02-13:28)

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