父親に懲役18年求刑=「怒りで虐待、悪質」-目黒女児死亡・東京地裁

2019.10.07
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by 時事通信

死亡した船戸結愛ちゃん(フェイスブックより)

死亡した船戸結愛ちゃん(フェイスブックより)

 東京都目黒区で2018年、船戸結愛ちゃん=当時(5)=が虐待死した事件で、傷害と保護責任者遺棄致死などの罪に問われた父親の雄大被告(34)の裁判員裁判の論告求刑公判が7日、東京地裁(守下実裁判長)であった。検察側は「自己に従わない怒りで虐待し、この上なく悪質」と指弾し、懲役18年を求刑した。弁護側は最終弁論で懲役9年が相当と訴え結審した。判決は15日。
 検察側は論告で、結愛ちゃんは母親優里被告(27)=懲役8年、控訴=の連れ子で、雄大被告は16年11月ごろに暴力を振るい始め、一家が香川県から目黒区に転居した18年1月23日ごろから苛烈な食事制限をしたと主張。「39日間で体重の約25%を失った」とした。
 さらに、優里被告を「説教で共犯者に引き入れ、夫婦で児童相談所の接触も拒否した」と指摘。「2月24~26日には風呂場で10回以上殴打した。27日に『12キロ台はやばい』などと命の危険を感じたのに、病院に連れて行かなかった」とし、「一体子どもを何と思っているのか。結愛ちゃんは逃げることもできず、絶望しかなかった」と厳しく非難した。
 弁護側は2月下旬の暴行を認めつつ、「親であろうという気持ちが根底にあった」と主張。「被告が命の危険を認識したのは(死亡前日の)3月1日だった」と訴えた。雄大被告は最終意見陳述で、すすり泣きながら「本当に、本当に申し訳ありませんでした」と声を絞り出し、何度も頭を下げた。
 起訴状によると、雄大被告は18年1月下旬から結愛ちゃんを栄養失調に陥らせ、2月下旬には風呂場で顔を殴打。優里被告と共謀して医療措置を受けさせず、3月2日、肺炎を発症させるなどして死亡させたとされる。(2019/10/07-11:47)

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