生活再建長期化の見通し=インフラ復旧も難航-死者74人、不明15人・台風19号

2019.10.16
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by 時事通信

JR東日本・長野新幹線車両センター内の北陸新幹線の車両=16日午前、長野市

JR東日本・長野新幹線車両センター内の北陸新幹線の車両=16日午前、長野市

 台風19号による記録的大雨で、東日本を中心に浸水被害を受けた被災地の生活再建やインフラ復旧は時間がかかる見通しだ。床上浸水などの住宅被害は1万棟を超え、停電や断水も続くほか、橋の流失で運転を見合わせる鉄道もある。
 16日現在、犠牲者は74人に上り、総務省消防庁によると、行方不明者は5県で15人。国土交通省によると、55河川で堤防79カ所の決壊が確認され、これまでに宮城県丸森町、福島県伊達市、長野県千曲市など58カ所で浸水が解消した。


堤防決壊で浸水し、水が引いた後に残る大量の泥をかき出す男性=16日午前、長野市の赤沼地区

堤防決壊で浸水し、水が引いた後に残る大量の泥をかき出す男性=16日午前、長野市の赤沼地区

 孤立する山間部の集落には、自衛隊のヘリコプターが物資を供給し、警察が徒歩で向かうなどして住民の安否確認を急ぐ。
 厚生労働省などによると、浄水場の水没や水道管の破裂により13都県の11万戸以上で断水が続いており、生活再建に向けた自宅の片付けや泥のかき出しに支障が出ている。道路の寸断で復旧工事に入れない地域もある。停電戸数は千葉県が1万5900戸、長野県1万1240戸など。
 JR東日本などによると、信号の電源装置が被害を受けた北陸新幹線は長野-上越妙高間で運転を見合わせており、復旧に少なくとも1週間程度かかる見込み。中央線や水郡線、飯山線のほか、三陸鉄道リアス線や阿武隈急行線でも土砂流入や橋流失などの影響で一部区間の運休が続いている。(2019/10/16-10:56)

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