今夏参院選「違憲状態」=3.0倍の1票格差、初判決-無効とは認めず・高松高裁

2019.10.16
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by 時事通信

7月の参院選は違憲状態との判決内容を紙で示す原告の升永英俊弁護士=16日午後、高松市の高松高裁前

7月の参院選は違憲状態との判決内容を紙で示す原告の升永英俊弁護士=16日午後、高松市の高松高裁前

 「1票の格差」が最大3.0倍だった今年7月の参院選は投票価値の平等に反し違憲だとして、弁護士らが選挙無効を求めた訴訟の判決が16日、高松高裁であった。神山隆一裁判長は格差を「著しい不平等で違憲状態」と判断した。選挙を無効とは認めなかった。
 神山裁判長は、3.0倍の格差を「常識的に許容し難く、最大1.98倍だった2017年10月の衆院選に大きく劣後している」と指摘。国民の権利意識が強くなっていることも挙げ、「投票価値の著しい不平等状態」と認定した。
 さらに、最高裁大法廷が「合憲」とした16年参院選の3.08倍から縮小させた定数是正について、「弥縫(びほう)策にすぎず、今夏参院選までに抜本的な是正措置を取るという最高裁の合憲判断の前提が崩れている」と述べた。
 一方、是正が図られた経緯などを踏まえ、「国会が違憲状態を認識し得たとまで認めることは困難」と判断。選挙の無効請求は退けた。
 二つの弁護士グループが全国14の高裁・高裁支部に起こした計16件の訴訟で、最初の判決。各地の判決は年内に出そろう見通しで、上告されれば最高裁が統一判断を示す。(2019/10/16-16:10)

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