移動支援団体、車不足=全国で災害相次ぎ「ぜひ寄付を」-宮城・石巻

2019.10.17
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by 時事通信

台風19号による浸水で使用できなくなった、日本カーシェアリング協会の軽自動車=16日午後、宮城県石巻市

台風19号による浸水で使用できなくなった、日本カーシェアリング協会の軽自動車=16日午後、宮城県石巻市

 災害で車を失った住民に車を貸し出して移動の支援を行っている、宮城県石巻市の一般社団法人日本カーシェアリング協会。台風19号の被災地に向け貸し出しの準備を進めるが、全国で災害が相次いでいるため、車が全く足りていない。協会は「眠っている車があれば、ぜひ寄付を検討してほしい」と呼び掛けている。
 協会は、東日本大震災で車を失い移動に困っていた住民に車を貸し出す支援団体として、2011年に発足。震災後も、九州北部豪雨や西日本豪雨など全国で必要とされる場が増えている。
 協会によると現在、保有する乗用車や軽トラック135台のうち約45台を、大雨や台風に見舞われた佐賀県や千葉県などの被災地に提供している。残りの車のほとんども、東日本大震災や西日本豪雨の被災者支援団体などへの貸し出しや、活動資金として欠かせないレンタカー事業に充てている。
 これに加え、台風19号による浸水で、石巻市で保管していた車4台が使えなくなった。スタッフの石渡賢大さん(29)は「新たに捻出できる車がない状況だ」と厳しい表情を浮かべる。
 協会は台風19号の被災地での支援について、少なくとも西日本豪雨災害と同規模の約100台を目標としている。石渡さんは「こんなに全国で災害が続き、しかも広範囲にわたるとは思わなかった。SNSでの呼び掛けや、宮城県の協力も得ながら、何とか車を集めたい」と話している。(2019/10/17-13:14)

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