「牛の角突き」に歓声響く=新潟・山古志-中越地震15年

2019.10.24
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by 時事通信

新潟県中越地震から15年を迎えた被災地の旧山古志村(現長岡市)で開催された、国の重要無形民俗文化財「牛の角突き」(闘牛)=23日午後、同市

新潟県中越地震から15年を迎えた被災地の旧山古志村(現長岡市)で開催された、国の重要無形民俗文化財「牛の角突き」(闘牛)=23日午後、同市

 2004年10月の新潟県中越地震が発生した日付に合わせ、国の重要無形民俗文化財「牛の角突き」(闘牛)が23日、旧山古志村(現長岡市)で開催され、500人を超える観客の歓声が山あいに響いた。地震から15年を迎えた節目での特別開催。主催する山古志闘牛会の松井富栄会長(37)は「元気にやらせてもらっていることに感謝を込めた」と話す。
 旧山古志村は地震で周辺道路が寸断し、住民は一時、全員が避難した。牛も被災し、約半数が死んだ。松井さんは当時、生き残った牛を助け出そうと十数人で現場に向かい、山を越えて10頭程度を安全な場所に避難させたという。松井さんは「車なら5分ほどの距離に3日かかった」と振り返る。
 角突きは05年に長岡市の臨時闘牛場で再開。山古志では08年に仮設牛舎から牛が戻り、完全復活した。被災前は持ち主が自宅で飼うケースが多かったが、今は闘牛場近くの共同牛舎で約50頭を闘牛会が管理する。
 この日は10取組が行われた。東京から写真仲間4人で訪れた男性(75)は「真剣勝負で、こんなに感動するとは思わなかった。歴史がある闘牛を続けてほしい」と話した。闘牛会は、収益の一部を台風15号と19号の被災地に義援金として送る予定だ。(2019/10/24-07:05)

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