札幌高裁も「違憲状態」=参院選1票格差、2件目判決-3倍「著しい不平等」

2019.10.24
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by 時事通信

7月の参院選は違憲状態との判決内容を紙で示す原告グループ=24日午後、札幌高裁前

7月の参院選は違憲状態との判決内容を紙で示す原告グループ=24日午後、札幌高裁前

 「1票の格差」が最大3.00倍だった7月の参院選をめぐり、弁護士らが選挙無効を求めた訴訟の判決が24日、札幌高裁であった。冨田一彦裁判長は「格差は著しい不平等状態で正当化する理由はない」と述べ、「違憲状態」と判断した。選挙無効の訴えは棄却した。全国の高裁・高裁支部に起こされた選挙無効訴訟で2件目の判決。1件目の高松高裁も「違憲状態」としていた。
 冨田裁判長は「格差の主な原因は都道府県を選挙区単位とする仕組みにある」と指摘した上で、「都道府県を単位とすべきことは憲法上の要請でない」と判示。今夏参院選では埼玉選挙区の定数増で格差は縮小したが、「仕組み自体の見直しがされたとは評価できず、格差を正当化する理由はない」と結論付けた。
 その上で、2016年参院選の3.08倍について、最高裁が17年の判決で、選挙制度の抜本的見直しを前提に合憲としたことに触れ、「国会は最高裁判決時点で見直しが必要と認識できた」と判断。一方、「手続きや作業には相応の時間を要する」とし、選挙自体を無効とはしなかった。原告側は即日上告した。(2019/10/24-18:15)

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