地銀の信用コスト増に警鐘=大手行は海外投資リスク-日銀リポート

2019.10.25
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by 時事通信


 日銀は24日、金融システムの安定性を半年ごとに評価するリポートを公表した。融資審査の甘さなどを背景に、地方銀行を中心に貸し倒れに備えた引当金など信用コストが増加に転じたと警告。大手行には、海外投資リスクへの注意を喚起した。日銀は「(金融システムの)脆弱(ぜいじゃく)性の蓄積には引き続き留意が必要だ」と指摘し、前回の判断から警戒レベルを一段引き上げた。
 地銀などでは、貸出残高に対する信用コストの割合を示す「信用コスト率」が低水準ながらも2018年度に増加に転じた。各行は低金利の長期化や人口減少に直面する中、収益強化のため融資を増加させているが、一部で審査や管理が甘くなっていた。長期的に取引がある企業の経営再建や事業承継が難航していることも要因となった。
 日銀は、景気が拡大しているにもかかわらず、既に信用コストが増え始めたことに懸念を表明。「景気後退リスクが高まった場合の影響について、これまで以上に認識する必要がある」(金融システム調査課)と警鐘を鳴らした。
 一方、大手行については、海外への投融資を拡大しており、海外発の金融危機の影響を受けやすくなっていると指摘。特に、信用格付けが低い企業への貸出債権を束ねたローン担保証券(CLO)が欧米よりも大幅に伸びており、リーマン・ショック級の経済危機が発生した場合、価格が2~3割下落する恐れがあるとの試算を示し、リスク管理の徹底を促した。
 ◇金融システムリポートのポイント
 【地方銀行】
 地方銀行を中心に信用コスト率が上昇に転じた。景気が下振れした場合の影響をこれまで以上に認識する必要がある。
 【大手銀行】
 大手銀行の海外貸し出しの拡大で、国内金融システムは海外発の金融危機の影響を受けやすく、留意が必要。欧米を大幅に上回る伸びで海外のローン担保証券(CLO)投資が拡大。大半が信用格付けが最も高い商品だが、経済危機が発生した場合、市場価格下落などのリスクに留意が必要だ。
 【金融システムの見通し】
 金融機関の経営効率性改善への取り組みは収益押し上げに貢献する。5年後の自己資本比率を0.5ポイント程度高め、経営体力やストレス耐性の強化につながるとみている。(2019/10/25-07:07)

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