無届けで再生医療か=医大元講師が脂肪幹細胞投与-大阪府警が捜索

2019.10.25
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by 時事通信

 私立の大阪医科大(大阪府高槻市)の元講師が在職中、国に必要な届け出をせず脂肪幹細胞を投与する再生医療を行ったとして、府警が再生医療安全性確保法違反の疑いで同大などを家宅捜索していたことが25日、捜査関係者への取材で分かった。厚生労働省も情報提供に基づき同大に立ち入り検査しており、同法違反容疑での刑事告発も視野に検討する。
 再生医療の研究者に対する同法違反容疑での捜査は異例とみられる。筋肉などの組織に変化する同細胞の投与は、体の老化を防ぐアンチエイジングが目的だったとみられるが、肺の血管が詰まる肺塞栓を引き起こす恐れもあり、府警や厚労省が経緯を調べている。
 捜査関係者や同大によると、元講師は50代の男性医師。今春、大阪医大内の自身の研究施設で、学外の40代女性から脂肪幹細胞を採取して培養した上で、この女性に点滴投与したという。他に同大の40代男性助教ら3人から同細胞の提供を受け、培養した。女性ら4人は元講師の知人で一般患者は含まれておらず、健康被害は訴えていないという。(2019/10/25-12:18)

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