座間9遺体、初公判めど立たず=白石被告、責任能力争点か-30日で発覚から2年

2019.10.30
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by 時事通信

白石隆浩被告(フェイスブックより)

白石隆浩被告(フェイスブックより)

 神奈川県座間市のアパートで男女9人の遺体が見つかり、白石隆浩被告(29)が強盗・強制性交殺人などの罪で起訴された事件は、30日で発覚から2年。社会に衝撃を与えた連続殺人は裁判員裁判で審理される見込みだが、争点や証拠を絞り込む公判前整理手続きが東京地裁立川支部で続き、初公判のめどは立っていない。
 白石被告が逮捕されたのは、自宅から切断遺体が発見された翌日の2017年10月31日。9回の再逮捕と検察側の精神鑑定を経た18年9月に起訴された。整理手続きは19年4月に始まり、白石被告は今月7日の4回目の手続きまで毎回出頭。29日の5回目は参加しなかった。
 関係者によると、争点は固まっていないが、弁護側は刑事責任能力を争う方針とみられ、手続きの中で白石被告の再度の精神鑑定を請求した。検察側は「必要性なし」とする意見書を提出しており、再鑑定を行うかどうか、地裁支部が検討を続けている。
 検察側の弁護側に対する証拠開示にも時間がかかっている。遺族の要望で、地裁支部は被害者の氏名や住所の秘匿を決定。検察側は調書などの被害者特定につながる部分のマスキング(黒塗り)作業を続けており、ある検察幹部は「初公判までの道筋はまだまだ見えない」と話す。
 白石被告は今月、勾留されている立川拘置所で接見に応じた。黒い髪を胸まで伸ばし、無精ひげを生やした被告は、約1年前に接見した際と同様、動機など事件の詳細に関する質問には金銭を要求し、「お世話してもらえたらお話しする」と繰り返した。世間話にはあっけらかんと応じ、笑顔も交えて「(娯楽がないので)筋トレで発散している。元気です」と語った。(2019/10/30-07:05)

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