ドローンテロ防止に全力 40カ所で手荷物検査も―10日、即位パレード・警視庁

2019.11.09
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by 時事通信


 天皇陛下の即位を祝うパレード「祝賀御列の儀」が10日、皇居周辺で行われる。警視庁は「即位礼正殿の儀」に続き警視総監をトップとする最高警備本部を設置し、全国の警察からの応援などを含め、最大約2万6000人態勢で警備。新たな脅威となっているドローン(小型無人機)によるテロ防止に全力を挙げる。
 パレードは同日午後3時開始予定で、天皇、皇后両陛下がオープンカーに乗り、皇居・宮殿からお住まいの赤坂御所までの約4.6キロを約30分かけて走行される。警視庁幹部は「沿道だけでなく、上空への対処が必要な難しい警備となる」と指摘する。
 警視庁はパレードの沿道に観覧用のブースを設け、40カ所で入場者の手荷物検査を実施し、道路上には数メートルおきに警察官を配置する。車両突入テロへの対策として、周囲に大型の警察車両や専用の柵を置く。



 上空ではドローンを悪用したテロが懸念される。南米ベネズエラでは昨年8月、演説中の大統領の上空でドローンが爆発する事件が起きた。
 皇居など重要施設の上空は法律でドローンの飛行が禁止されており、警視庁は既にドローンの販売や操縦の講習を行う業者らに対し、不審な人物が来たら通報するよう要請している。
 パレード当日は、周辺に配置する多数の警察官による目視や検知器で不審なドローンを発見する。ジャミング(電波妨害)装置で運航不能にした上で、網をつり下げた大型ドローンや地上から網を飛ばす「ネットランチャー」で捕獲することなどを想定している。
 パレードは当初、即位礼正殿の儀が行われた10月22日に実施される予定だったが、台風19号による被害の影響で延期された。警視庁幹部は「再び緊張感を持ち、万全の態勢で臨みたい」と話した。(2019/11/09-07:15)

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