池袋暴走、元院長を書類送検 母子死亡、操作ミスと判断―警視庁

2019.11.12
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by 時事通信

事故現場で実況見分に立ち会う旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(中央)=6月13日、東京都豊島区

事故現場で実況見分に立ち会う旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(中央)=6月13日、東京都豊島区

 東京・池袋で乗用車が暴走し、松永真菜さん(31)と娘の莉子ちゃん(3)が死亡、9人が重軽傷を負った事故で、警視庁交通捜査課は12日、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で、車を運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(88)=板橋区弥生町=を書類送検した。同課は認否を明らかにしていないが、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。
 送検容疑は、4月19日午後0時25分ごろ、豊島区東池袋の都道で乗用車を運転中、ブレーキと間違えてアクセルを踏み続け、時速90キロ台後半まで加速し暴走。赤信号を無視して横断歩道に突っ込むなどして、自転車に乗っていた松永さん親子を死亡させ、歩行者ら9人にけがをさせた疑い。


乗用車が暴走し2人が死亡、9人が重軽傷を負った事故現場付近に手向けられた花=12日午前、東京都豊島区

乗用車が暴走し2人が死亡、9人が重軽傷を負った事故現場付近に手向けられた花=12日午前、東京都豊島区

 元院長自身も胸骨や肋骨(ろっこつ)を折るなど重傷を負い、約1カ月間入院したため、警視庁は任意で捜査を続けていた。元院長は事故直後、「アクセルが戻らなくなった」と説明。事情聴取でも「ブレーキを踏んだが利かなかった」などと車の不具合を主張したが、車に異常は見つからなかった。元院長はその後の聴取で、アクセルとブレーキの踏み間違いの可能性にも言及していた。
 同課によると、現場手前で車線変更を繰り返していた車は加速しながら縁石に接触し、その後約150メートルにわたり暴走した。二つの横断歩道で自転車の男性と松永さん親子をはねた後、左から曲がってきたごみ収集車に衝突し、弾みで三つ目の横断歩道に突っ込み、歩行者らをはねるなどした。同課は、元院長が縁石への接触などでパニックになり、誤ってアクセルを踏み続けたとみている。(2019/11/12-11:39)

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