ハンセン病家族補償法が成立 最大180万円を補償―国会と政府「深くおわび」
ハンセン病隔離政策で差別を受けた元患者家族に対し、最大180万円を支給する補償法と名誉回復を図る改正ハンセン病問題基本法が、15日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。22日までに施行され、厚生労働省は施行と同時に補償金の請求受け付けを始める。補償金は最短で来年1月末には支給される見通しだ。
補償法は前文で、偏見と差別によって家族が受けた苦痛に対し、国会と政府が「悔悟と反省の念を込め」「深くおわびする」と明記。家族訴訟の弁護団は「被害の全面解決に向けて大きな前進をもたらす」とコメントした。
補償金は、6月に熊本地裁が命じた最大130万円の賠償から上積みし、元患者の親子や配偶者に180万円を支給する。きょうだいや同居のおいやめい、孫、ひ孫らは130万円とした。戦前の台湾や朝鮮半島の居住者や、判決で認められなかった米軍統治時代の沖縄にいた人も対象に含まれる。
請求期限は施行から5年。対象者からの請求に基づき、厚労相が認定する。厚労省は補償の対象を約2万4000人、支給総額は約400億円と試算している。
加藤勝信厚労相は成立後、「(元患者や家族の)思いを受け止め、先頭に立って取り組みたい」と述べた。(2019/11/15-20:43)