日韓関係悪化、影響根深く 協定維持も早期回復望み薄―産業界

2019.11.23
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by 時事通信


 韓国は22日、日本とのの維持を決めた。ただ、今年7月の対韓輸出管理強化で韓国内の反日感情は悪化し、国内の観光・流通業や韓国進出企業への影響が深刻化。協定維持でも、発端となった徴用工問題解決のめどは立っておらず、早期回復は期待しづらいのが実情だ。
 韓国に近く、旅行客の恩恵を特に受けてきた九州。ホテルやバス、百貨店で同国からの客が激減した。福岡市内の大手百貨店は「効果のないところに情報発信しても仕方がない」と半ば諦め、中国などへのPRを強化する。
 大分県の温泉地、湯布院で清水嘉彦さん(65)が営む旅館でも、韓国人宿泊客が8~9割減った。清水さんは「毎年来てくれたリピーター客も今年は来ていない。これ以上関係が悪化しないでほしい」と願っている。
 日本政府観光局の統計によると、訪日韓国人客は7月からの4カ月で3分の1の水準まで落ち込んだ。韓国の航空会社は日本路線を4割減らし、大分空港では週13便あった韓国路線が全て消え、国際線がなくなった。
 韓国で事業展開する日本企業でも売り上げ不振が目立つ。の高級車ブラド「レクサス」の10月の販売台数は前年同月比で8割減。アサヒビールは輸入ビール8年連続首位の座から転落する見込みだ。アパレル大手は韓国からの撤退を決めた。
 産業界では「政治で解決してもらうしかない」(自動車大手)との思いが強い。協定維持で一段の状況悪化はひとまず回避され、日本商工会議所の三村明夫会頭は「大きな進歩だ」と指摘したが、今後の情勢を慎重に見守る考えだ。(2019/11/23-07:17)

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