「アフガンの支援続ける」 関係者ら決意新たに―中村医師合同葬に1300人超
アフガニスタンで銃撃され死亡したNGO「ペシャワール会」(福岡市)現地代表の医師中村哲さん(73)の告別式が11日、福岡市内の斎場で開かれた。中村さんの家族と同会の合同葬として営まれ、同会によると、妻尚子さん(66)ら遺族や同会関係者、生前親交のあった人ら1300人以上が参列し、中村さんの死を悼んだ。
祭壇にはアフガンの国旗とみられる布に包まれたひつぎが安置され、たくさんの菊の花と共に、ほほ笑む中村さんの遺影が掲げられた。
同会の村上優会長は追悼の辞で、「心の中で先生の声と語り合いながら、平和を望む世界の人々とアフガンの事業の支援を続けます」と誓った。
その後、喪主の長男健さん(36)が遺族を代表し、「父を守るために亡くなられた方々に申し訳なく、悔やんでも悔やみきれない」と悼んだ。その上で「人の思いを大切にし、物事を見極めるなど、父から学んだことをいつも心に残し、生きていきたい」と述べた。
一般の献花が終わった午後3時20分ごろ、ひつぎを載せた黒色の霊きゅう車が、クラクションを数秒間鳴り響かせながら火葬場へと出発した。
同会の元スタッフで、2008年に現地で殺害された伊藤和也さん=当時(31)=の母順子さん(67)も参列。合同葬の後、取材に応じ「『お帰りなさい』という言葉をこんな形でしか掛けられないことに、自分たちのことを思い出してしまった」と悲痛な表情を浮かべた。
中村さんと親交の深い医師で、アフガン人のレシャード・カレッドさん(69)は「(アフガンの)名誉市民になり、やっとアフガン人になれたと喜んでいたのに」と悔やんだ。(2019/12/11-20:22)