麻生氏「首相4選」が波紋 岸田・石破派が不快感―自民

2019.12.12
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by 時事通信

首相官邸に入る安倍晋三首相=11日午前、東京・永田町

首相官邸に入る安倍晋三首相=11日午前、東京・永田町

 副総理兼財務相が首相の自民党総裁連続4選を後押しする考えを示し、党内で波紋を広げている。「ポスト安倍」を狙う政調会長と元幹事長がそれぞれ率いる派閥から不快感が示され、4選論にいち早く言及した幹事長の周辺からは麻生氏主導の流れが生まれないようけん制する声が上がった。
 総裁任期は1期3年、連続3期まで。首相は2021年9月に任期切れを迎えるが、自らは4選を再三否定。残り2年弱で悲願の憲法改正を実現するのは困難との見方が広がる。こうした中、麻生氏は10日発売の月刊誌「文芸春秋」で、改憲を果たすには「総裁4選も辞さない覚悟が求められる」と強調した。
 これに対し、岸田派中堅は「麻生氏が影響力を保ちたいだけだ。老害だ」と批判した。岸田派は首相からの事実上の禅譲を期待しており、4選が現実味を帯びると基本戦略が狂う。
 首相と距離を置く石破派は4選支持の広がりを警戒する。同派中堅は「『桜を見る会』問題で長期政権はどうなのかとこれだけ言われているタイミングなのに」とくぎを刺した。
 4選論は二階氏がかねて繰り返し触れている。二階派の元官房長官は11日の講演で「(来年11月の)米大統領選でトランプ氏が再選されるかどうかで雰囲気は変わる。再選すれば、大統領とさし(二人だけ)で話せる首相を代えるのはなかなか難しい」と指摘。同時に別の二階派幹部は、麻生氏発言を「幹事長の二番煎じだ。最初に言うから価値がある」と冷笑してみせた。(2019/12/12-07:09)

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