最後のセンター試験終了 スマホ不正1件―受験生、安全志向強まる

2020.01.19
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by 時事通信

 大学入試センター試験は19日、理科と数学を実施し、全日程を終えた。共通一次試験を前身に1990年から行われてきたセンター試験は今年が最後で、来年から思考力などを重視する大学入学共通テストが始まる。
 大学入試センターは、18日の地理歴史・公民の試験中に、埼玉県で受験生がスマートフォンを使用する不正行為が1件あり、全科目の成績を無効にしたと発表した。スマホを使った不正行為は2016、17、19年に続き4回目で計5件となった。
 19日の試験では、神戸女子大(神戸市)の試験場で、チャイムが鳴っている間に試験開始を合図すべきところ、試験監督が鳴り終わった際に「解答始め」と言ったため、時間が25秒不足。47人が再試験の対象となった。同日、試験開始時間を繰り下げる事態は起きなかった。
 共通テストでは、思考力や判断力を測るため、日常生活の場面や複数の資料から情報を読み取る問題など出題形式を工夫する。英語の配点なども変わる。当初予定していた英語の民間試験活用と記述式問題の導入は、経済的な事情や採点の公平性への懸念などから見送られた。
 受験生には「安全志向」が強まっている。大手予備校・河合塾の全国模擬試験では、文系学部で早稲田、慶応など難関私立大への志願者が減り、敬遠する動きが顕著に見られた。一方、「日東駒専」といわれる日本、東洋、駒沢、専修の4大学では難関大も狙える高成績層の志望者が増え、関西でも同じ傾向だった。河合塾の広報担当者は「入試制度が変わることへの不安から、できれば今年決めたい気持ちの表れ」としている。
 センター試験の平均点の中間発表は22日。対象となる科目間で平均点に大きな差が生じた場合に実施される得点調整の有無は24日に発表予定。
 病気などにより受験できなかった人を対象とする追試験は25、26日に東京と大阪で行う。(2020/01/19-21:25)

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