国会出席も疑惑説明せず 菅原前経産相と河井夫妻
「政治とカネ」をめぐる不祥事で閣僚を辞任した自民党の菅原一秀前経済産業相、河井克行前法相と、河井氏の妻で陣営の公職選挙法違反疑惑が指摘されている案里参院議員は、通常国会が召集された20日、それぞれ登院した。3氏は昨年秋以降、国会を欠席していた。一方、いずれも疑惑に関する説明は避けた。
菅原氏は秘書が選挙区内で香典袋を手渡したなどとする週刊文春の報道を受け、昨年10月に経産相を辞任。20日は国会内で記者団に「ご迷惑を掛けたことをおわびする」と謝罪した。「睡眠障害と診断を受けた」と国会欠席の理由を明かしたが、「一から出直し、精進していきたい」などとして議員辞職や離党は否定した。
公選法は、本人が葬式や結婚式に出席する場合を除き、政治家が選挙区内で金品を贈ることを禁じている。菅原氏は、刑事告発を受けていることを理由に事実関係の説明を回避、「(捜査)当局から要請があれば真摯(しんし)に協力したい」と繰り返した。「適切な時期に全容の説明をしていきたい」とも語った。
菅原氏の対応について、自民党の岸田文雄政調会長は記者会見で「説明は十分ではないと皆、感じている」と指摘した。
案里氏の陣営の公選法違反容疑では、克行氏の事務所を含めて広島地検の家宅捜索を受けた。案里氏は20日、世耕弘成参院幹事長に陳謝。世耕氏は「できる限り誠実な対応をするように」と指示した。
案里氏は記者団に「捜査の進展を見ながら、区切りがついたところでしっかり説明させてほしい」と釈明。克行氏も「捜査に支障を来してはならない」と説明を拒んだ。(2020/01/21-07:10)