「電車混雑、予測します」 新型ウイルス感染予防でサービス利用急増
電車や駅の混雑予測・状況をインターネットで提供するサービスの利用が急増している。主に移動効率化や出店計画などの営業強化に活用されてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、人混みを避けたい人たちが自己防衛に役立てているようだ。
地図検索大手ナビタイムジャパン(東京)が提供する全国の駅の「混雑予報」は、2月のウェブサイトの閲覧数が前年同期比6割増えた。予報では、全国の駅について時間ごとに過去一定期間の混雑度合いに比べ、3倍なら赤、2倍なら黄、例年通りなら青で表示する。スマートフォンの乗り換え案内アプリでは、首都圏各線の予測を配信する。国土交通省の大都市交通センサスや乗り換え方法の検索情報を分析して算出している。
地図情報を手掛けるゼンリンの子会社は、NTTドコモの携帯電話サービス利用者の協力を得てスマホの位置情報を活用し、混雑状況を公開している。ホームページに掲載した「時差出勤」の分析記事の閲覧数は従来の20倍に達した。同社広報は「政府や企業の指示で、混雑を避けられる時間帯を探しているようだ」とみる。ソフトバンク傘下のアグープ(東京)は、ソフトバンクのサービス利用者の同意を得て位置情報を集計し、密集度合いや移動する方向と速度を表示している。(2020/02/29-09:09)