つなぎ融資にフィンテック 中小企業で活用広がる―新型コロナ対応

2020.03.29
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by 時事通信

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で不振に陥った中小企業が、資金繰り対策に金融とITを融合させたフィンテックを活用する動きが広がっている。会計ソフトなどに入力された入出金データを基に審査され、数日で融資を受けられるためだ。政府系や民間金融機関への相談が急増し、経営者は早期に資金調達できるか不安を募らせており、つなぎ役として存在感を示している。
 オンライン融資を手掛けるマネーフォワードファイン(東京)では会計データを活用した貸し出しが伸びている。最短3日で融資できるのが特長で、2月の件数は昨年12月に比べ3割増えた。地方企業の引き合いも強く、札幌市の飲食店経営者は「6月までの資金として100万円借りた。資金繰りが厳しく、助かった」と安堵(あんど)の声を上げた。
 ジャパンネット銀行は、会計ソフトのfreee()から得たデータを基に融資する。大手銀行では三菱UFJ銀行が法人口座の入出金データを人工知能(AI)で分析し、最短2日で最大1000万円を貸し付ける。
 資金繰り対策では、政府が日本政策金融公庫などを通じ、1.6兆円の融資を打ち出したが、実行されるまで一定期間を要するのがネック。フィンテックを使った融資は数日で資金を確保できる半面、貸出金利はやや高めだ。マネーフォワードファインの家田明会長は「制度融資の入金までのつなぎとして使ってほしい」と語る。(2020/03/29-07:34)

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