不安や戸惑い、街に交錯 緊急事態「遅い」「意味ない」―軒並み休業、東京・大阪

2020.04.08
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by 時事通信

緊急事態宣言が出された後の東京・新宿の歓楽街、歌舞伎町=7日夜

緊急事態宣言が出された後の東京・新宿の歓楽街、歌舞伎町=7日夜

 新型コロナウイルスの感染拡大で、7都府県に発令された初の緊急事態宣言。仕事は、学校は、補償はどうなるのか。東京や大阪の繁華街では、人々が不安や戸惑いを胸に、安倍晋三首相の記者会見中継を見詰めた。
 7日午後6時前。東京・渋谷から新宿方面へ向かう東京メトロ副都心線の車内で、発令を伝える通知が乗客のスマートフォンに届き始めた。「あ、出たね」。複数の人が画面を開き、真剣な表情で読み始める。先頭車両の乗客50人のうち、マスクをしていないのは2人だけだった。
 午後7時、首相の会見が始まると、JR新宿駅前では多くの人が足を止め、ビルの大型ビジョンに見入った。東京都杉並区の会社員衛藤美博さん(51)は「外出禁止に強制力がないなら、宣言に大した意味はない。経済への打撃は大きく、コロナの死者より自殺者が増えるのでは」と冷めた表情。一方、「首相の対応は慎重で安定感がある。東日本大震災のように民主党政権ではなくて良かったね」と話す男性会社員(62)もいた。


大阪府を含む7都府県に緊急事態宣言が出され、通常よりも人けのない歓楽街・北新地=7日夜、大阪市北区

大阪府を含む7都府県に緊急事態宣言が出され、通常よりも人けのない歓楽街・北新地=7日夜、大阪市北区

 新宿駅前は午後8時ごろまで人々でにぎわったが、夜が更けると人通りはまばらに。客同士の距離を取るため、1台おきに電源を落として営業していたパチンコ店では、男性店員が「都内はきょうが最後の営業かも。目いっぱい打っていってください」と客に声を掛けていた。伊勢丹新宿店、新宿アルタなどの大型店、歌舞伎町の飲食店やゲームセンターなど多くの店舗には閉店後、「8日から当面の間」の休業を知らせる掲示が並んだ。
 大阪・道頓堀の大型ビジョン前でも、通行人や店舗関係者らが首相の言葉に耳を傾けた。20年道頓堀で働いているという飲食店店長の佐藤雄太さん(38)は「飲食業界からすれば、もっと早く宣言して大型連休前には解除してほしかった」とため息。大阪市の女性会社員(28)は「緊急事態宣言はほんまに必要だったのか。大ごとにしすぎ」と表情を曇らせた。その後、大阪市内でも、「かに道楽」などの店舗に当面の休業を知らせる文書が貼り出された。
 政府が緊急事態宣言を官報に公示し、効力が生じたのは7日深夜。普段は酔客でにぎわう大阪・北新地の中心部に、ほとんど人の姿はなかった。客引きをしていた30代男性は「先が見えない。じり貧や」と声を落とした。(2020/04/08-13:10)

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