感染拡大、ホームレス苦境 炊き出し、空き缶減少―ネットカフェ休業も懸念

2020.04.09
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by 時事通信

ホームレス支援団体が提供した弁当を食べながら、スタッフに生活相談する男性=4日、東京都新宿区

ホームレス支援団体が提供した弁当を食べながら、スタッフに生活相談する男性=4日、東京都新宿区

 新型コロナウイルスの感染拡大で、支援者による炊き出しが減るなどし、ホームレスが苦境に陥っている。外出自粛で街から人が消え、空き缶拾いの収入も減少。自治体の要請でインターネットカフェが休業すれば、さらに多くの人が路上生活を強いられるとみられ、専門家は緊急に支援が必要と訴えている。
 4日午後、東京・新宿の都庁前。民間団体が行った弁当配布、生活相談会には朝から約110人が列を作った。路上生活が長い中高年男性に交じり、身なりがきれいな若者も。揚げ物や卵焼きが入った弁当を受け取ると足早に立ち去った。
 「感染前に飢え死にするよ」。先頭でラジオを聴いて並んでいた栃木県出身の男性(70)は、こう言っておどけた。3日朝から場所取りしており、「以前は毎日どこかで炊き出しをやっていたが、今は週3回くらいしかない」と肩をすくめた。
 4日夜には渋谷駅近くの公園でも、別の団体による炊き出しが行われ、ホームレスと共に大鍋でまぜご飯を作っていた。参加者はマスク着用と手洗いを徹底し、ご飯はパック詰めして配布。列は徐々に長くなり、いつもの1.5倍以上という約180人が並んだ。
 都の調査では、都内に約1000人のホームレスがおり、公園や道路、河川敷などで暮らす。
 支援活動に長年携わってきた木村正人・高千穂大教授(社会学)によると、新型ウイルスの感染拡大による外出自粛要請で、都内では多くの支援団体が炊き出しを中止。花見シーズンで大量に集まるはずのアルミ缶もほとんど手に入らず、都が募集する公園清掃などの日雇い仕事も休止され、わずかな現金収入も激減した。
 ネットカフェの休業も懸念される。寝泊まりする人は都内に約4000人いるとされ、居場所を失う可能性が高い。失業も相次いでおり、木村教授は「緊急の公的支援が不可欠だ。ホームレスは感染した場合のリスクも高く、個室住宅や食事の提供、生活保護の利用などを促すべきだ」と話した。(2020/04/09-20:31)

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