9月入学、与党に慎重論拡大 学校再開で機運しぼむ

2020.05.27
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by 時事通信

 与党内で26日、学校の入学・始業時期を秋にずらす「9月入学」への慎重論が広がった。新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が全面解除され、全国で学校再開の動きが本格化。早期導入の機運は急速にしぼんでいる。
 自民党の参院幹事長は26日の記者会見で、9月入学をめぐる党内の検討状況について「じっくり議論していけばいくほど、社会的なインパクトに気付き始め、慎重な議論になってきている」との見方を示した。
 9月入学はもともと、休校長期化に伴う学習の遅れを取り戻す打開策として、政府内で浮上した。自民、公明両党もこれを受け、それぞれ議論を始めており、6月上旬に提言をまとめる方針だ。
 ただ、巨額の財政負担や、新小学1年生の対象年齢の区切り方、就学直前の待機児童増加への対応など、課題は山積み。学校再開にめどが立ったこともあり、自民党が25日に開いた検討チーム会合では「ほとんどの議員が導入に慎重、反対意見だった」(事務局長)という。
 公明党も消極的だ。代表は26日の会見で「コロナ感染で学ぶ機会が削られたことへの対応とは別に、もっと幅広い観点から、時間をかけた十分な議論が必要ではないか。切り離した検討を求めたい」と述べ、中長期的な課題とするよう訴えた。
 9月入学をめぐっては、首相が先月の国会答弁で「前広にさまざまな選択肢を検討していきたい」と表明。しかし、25日の会見では「学校の再開状況や、社会全体への影響を見極めつつ、慎重に検討していきたい」と姿勢を後退させた。
 首相周辺によると、首相には会見直前、自民党内で「慎重論が多い」との情報が伝わったという。9月入学は首相官邸が「前のめり」気味だったが、与党のブレーキで尻すぼみに終われば、政権の求心力がさらに低下する可能性もある。(2020/05/27-07:18)

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