「鬼滅の刃」制作会社を告発 1億3900万円脱税容疑―東京国税局

2020.06.03
0
by 時事通信

東京国税局から告発されたアニメ制作会社「ユーフォーテーブル」が運営するカフェ=5月29日、東京都中野区

東京国税局から告発されたアニメ制作会社「ユーフォーテーブル」が運営するカフェ=5月29日、東京都中野区

 人気アニメ「鬼滅の刃」などを制作する「ユーフォーテーブル」(東京都中野区)が、経営するカフェの売り上げを少なく見せ掛け、法人税など計約1億3900万円を脱税したとして、東京国税局査察部が法人税法と消費税法違反容疑で同社と近藤光社長(50)を東京地検に告発していたことが3日、関係者への取材で分かった。
 同社の代理人弁護士は「ファンの皆さまをはじめ、関係者に心よりおわび申し上げます。持続可能なより良い作品作りに向けた制作環境の整備に向け、法令を順守し、経営の適正化に努めて参ります」とコメントした。既に修正申告し、全額を納付したという。
 関係者によると、同社は東京と大阪にあるカフェ4店舗の売り上げについて、決算期末後にデータや帳簿を改ざん。2015年8月期、17年8月期、18年8月期の3年間に、約4億4600万円の所得を隠し、法人税約1億1000万円と消費税約2900万円を脱税した疑いが持たれている。
 都内の店舗の売り上げは、金融機関を介さず、現金のまま近藤社長の自宅で保管していた。改ざんは同社長が経理担当者の妻に指示し、売り上げの3~5割程度を圧縮する形で、毎期1億~2億円ほど除外していたとみられる。
 国税局は昨年3月、強制調査(査察)に着手。同社長の自宅兼事務所にあった金庫からは現金約3億円が見つかった。
 ホームページなどによると、同社は00年に設立。「鬼滅の刃」や「テイルズ オブ」シリーズ、「Fate」シリーズなどの人気アニメを手掛けるほか、国内5都市と韓国でカフェやレストランを運営している。09年から18年にかけ、徳島県で開催されたアニメ・ゲームイベント「マチ★アソビ」をプロデュースし、同年10月の3日間で全国から約7万1000人が来場した。(2020/06/03-11:45)

print

人気のオススメ記事