患者わいせつ、医師に懲役2年 「術後せん妄」一審は無罪―東京高裁
東京都足立区の病院で2016年、手術直後の女性患者の胸をなめたなどとして、準強制わいせつ罪に問われた医師、関根進被告(44)の控訴審判決が13日、東京高裁であった。朝山芳史裁判長(細田啓介裁判長代読)は一審の無罪判決を破棄、「診察との誤信に乗じた犯行」と非難し、懲役2年の実刑を言い渡した。
全身麻酔手術後に幻覚などを見る意識障害「術後せん妄」の有無や影響をどう評価するかが主な争点だった。
朝山裁判長は、女性が被害を受けた直後にスマートフォンで職場の上司に助けを求めるメッセージを送っていたことなどを挙げ、「仮に女性がせん妄状態にあったとしても、幻覚は生じていなかった」と判断した。
同裁判長は「女性の説明は具体的かつ詳細で、看護師らの証言とも整合する」と指摘し、被害証言の信用性を認定。女性の胸から被告のDNAが検出されたことを「診察時に唾液の飛沫(ひまつ)や汗が付着した可能性を否定できない」などとした一審東京地裁判決を誤りだと結論付けた。(2020/07/13-17:42)