都内感染、最高レベル 小池知事「警報状況」―事業者と都民に対策要請

2020.07.15
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by 時事通信


 東京都は15日、新型コロナウイルスのモニタリング(監視)会議を開いた。検査で陽性と判明した人数の急増を受け、出席した専門家らは、感染状況の評価をこれまでの「拡大しつつある」から、4段階で最も深刻な「拡大している」への引き上げを報告。小池百合子知事は「感染拡大警報の状況にある」と述べた。
 小池知事は会議後に記者会見を開き、改めて事業者に対策の徹底を求め、都民に対しては感染防止のガイドラインを順守していない店舗の利用を控えるよう呼び掛けた。これらについては、新型コロナ対策の特別措置法24条に基づく協力要請と位置付けた。


記者会見する東京都の小池百合子知事=15日午後、都庁

記者会見する東京都の小池百合子知事=15日午後、都庁

 会議では、13日時点の状況について分析した。新規感染者数(直近7日間平均)は168.4人と前週から約1.5倍となり、感染経路不明者(同)も77人と倍増。60代以上は全体の約1割を占め、地域に広がりがあると指摘。介護・保育施設での感染も相次ぎ、「施設内の対策の徹底が必要」と訴えた。
 一方、感染者は若年層が大半を占め、重症患者も少ないため、3月から5月までの「第1波」とは状況が異なるとの見解を示した。国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「前回の流行と比べ、違う波の印象だ。ただ、新規陽性者数は前回のピークを越え無視できない」と述べ、感染状況の評価を引き上げた理由を説明した。


記者会見する東京都の小池百合子知事=15日午後、都庁

記者会見する東京都の小池百合子知事=15日午後、都庁

 医療提供体制については、重症者数(6人)が横ばいのため、確保病床数(重症用100床、軽症・中等症用2700床)は維持。しかし、第1波では入院患者の増加から約1週間後に重症者が増えたため、「今後の推移に警戒が必要」と警鐘を鳴らした。無症状者が全体の18%程度を占めていることから、大規模な宿泊療養施設を早急に確保するよう求めた。(2020/07/15-19:36)

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