東芝など出荷見合わせ ファーウェイ向け、米規制で
米国政府が中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に対する米技術を使った外国製半導体の供給を事実上禁止したことで、日本メーカーは取引の見直しを迫られている。東芝などはファーウェイへの部品供給を一時停止。ソニーなども米規制による収益への影響を抑えるため、出荷先の分散を急いでいる。
ファーウェイは、次世代通信規格「5G」の基地局やスマートフォンで世界的に高いシェアを持つ。2019年の日本企業からの調達額は計約1兆1000億円に上る。
東芝は制裁の内容を精査するため、半導体などの出荷を一時的に停止した。半導体を供給するルネサスエレクトロニクスも影響を免れず、代わりに他の基地局メーカーへの販売を増やす方針だ。
スマホの世界出荷台数でファーウェイは19年に米アップルを抜いて2位(シェア17.6%)に浮上し、首位の韓国サムスン電子に迫った。しかし、米制裁で半導体の調達が困難になり、中国メディアによると出荷台数の削減に動き始めた。
スマホ用画像センサーを供給するソニーは「米国の輸出規制を含め、法令を順守する」(広報)と説明。米中摩擦の動向をにらみながら供給先の拡大に力を入れる方針だ。中小型液晶大手ジャパンディスプレイも取引先を分散することで、出荷への大きな影響は回避できるとみている。(2020/09/16-07:05)