菅政権、論戦先送り 次期国会、来月下旬以降に―野党なお「桜」追及

2020.09.18
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by 時事通信


臨時国会が閉会し、引き揚げる衆院議員=18日午後、国会内

臨時国会が閉会し、引き揚げる衆院議員=18日午後、国会内

 臨時国会が18日閉幕した。3日間の会期で実質的に行われたのは16日の首相指名選挙だけで、論戦は次の国会に持ち越された。政府・与党は首相の所信表明演説などを行う臨時国会を10月下旬にも召集する方向で、論戦が実現するとしても1カ月以上先となる。ジャパンライフ元会長が逮捕された詐欺事件を受け、野党は政府への追及を続ける構えで、早期の召集を重ねて要求した。
 今国会では、菅首相の発言や法案審議は一切なかった。18日の衆院議院運営委員会理事会で、野党筆頭理事の氏(立憲民主党)は新首相が就任したことを踏まえ、「きちんと所信を伺いたい」と国会の速やかな召集を迫ったが、与党側は応じない方針。
 野党はこれまでも、首相が出席する国会論戦の場を繰り返し求めてきた。安倍政権の継承を掲げる首相の姿勢を問いただすため、要求を一段と強めている。ジャパンライフ元会長が、前首相が主催した「桜を見る会」招待状を顧客勧誘に利用していたことも問題視。「招待状が詐欺を生む大きなきっかけになった」(立憲幹部)とみて首相に直接ぶつけたい考えだ。
 招待状が出された経緯を再調査する意思があるか記者会見で問われた官房長官は、「名簿も保存されていない」と否定的な見解を表明、野党を激怒させた。立憲の国対委員長は野党の会合で「終戦を迎える前日に日本軍がやったやり方と同じではないか。ガソリンをかけて都合の悪い書類を全部燃やした」と批判。「戦う野党として徹底的に追及していきたい」と訴えた。
 だが、自民党は臨時国会召集について早くても10月下旬との想定だ。首相就任後初となる所信表明演説と衆参両院本会議での各党代表質問を行った上で、日英両国の新貿易協定案の承認や、来年の東京五輪に合わせて祝日を移す特別措置法改正案の成立を図る。
 ただ、次の国会が早期の衆院解散・総選挙につながる可能性も消えていない。報道各社の世論調査で菅内閣支持率が軒並み6~7割と好調なため、政権内には「解散を早く打ちたくなる」(与党幹部)との声もある。自民党内では「演説と衆院代表質問だけやって解散する」との見方も浮上。安住氏も「臨時国会は解散含みの緊迫した状態になるかもしれない」と警戒感を示しており、与野党の神経戦が続きそうだ。(2020/09/18-18:42)

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