おせち商戦、巣ごもり狙う 取り分け不要、海外気分も―百貨店
百貨店各社が新年用「おせち」の購入予約の受け付けを始めた。新型コロナウイルスの影響から、自宅でお正月を楽しむ家庭向けに感染予防を意識した取り分け不要な小分けの商品を用意。地方の親族への贈答用や海外旅行気分を味わえる洋風おせちなど、各社は趣向を凝らして巣ごもり需要を狙う。
そごう・西武は30日以降、カップに一品ずつ小分けし、衛生面に配慮したおせちを売り出す。和洋折衷の50品目を二段に収め、価格は2万9160円。大丸と松坂屋を傘下に持つJ・フロントリテイリングは、帰省できない分、地方の親族にも贈れる少人数用を豊富にそろえた。価格は1万~2万円台が中心で、「離れていながら同じおせちを楽しむ家庭もあるのでは」(広報)と期待する。
松屋は、本格的なスペイン料理に加え、世界のソーセージ料理を楽しめる豪華おせちを提供。渡航制限が続く中、「世界の味を楽しんでほしい」(広報)と呼び掛ける。
高島屋は年末を明るく過ごせるようジャンボ宝くじを10枚付けた「福おせち」(3万2400円)を発売。通販限定で注文を受け、宝くじは別途送る。
おせちを手作りする世帯の減少などを背景に、百貨店での売り上げは毎年順調に拡大。各社は巣ごもりや、「3密」回避でサイト経由の注文も例年より増えると見込んでおり、いずれも前年比5~10%の販売増を狙う。(2020/09/26-13:31)