東証、全銘柄の売買終日停止 システム障害で初―札幌、名古屋、福岡も

2020.10.01
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by 時事通信


システム障害で全銘柄の売買が止まった東京証券取引所の電光ボード=1日午前、東京都中央区

システム障害で全銘柄の売買が止まった東京証券取引所の電光ボード=1日午前、東京都中央区

  • 札幌証券取引所のモニターに掲示された、売買停止を知らせる張り紙=1日午前、札幌市中央区
  • 対応に追われる名古屋証券取引所の職員ら=1日午前、名古屋市中区

 東証は1日、システム障害の発生により全銘柄の売買を終日停止すると発表した。売買が終日止まるのは、全面システム化された1999年5月以降初めて。この影響で同じシステムを使っている札幌、名古屋、福岡の各証券取引所でも全ての株式取引ができない状態になっている。復旧のめどはたっておらず、国内の金融市場の混乱が拡大しそうだ。
 東証での全銘柄の売買停止は約14年9カ月ぶり。ニューヨークやロンドンなどと並ぶ世界有数の証券取引所でもある東証が取引を終日停止することで、国内のみならず海外の投資家にも大きな影響が及ぶのは必至だ。
 加藤勝信官房長官は1日午前の記者会見で、「金融庁が東証に原因究明と復旧に向けた対応を指示している」と述べた上で、「投資家にとって取引の機会が制限されることであり、大変遺憾だ」と語った。
 東証によると、取引開始前の午前7時すぎ、相場情報を配信するシステムを立ち上げた際に不具合が確認された。東証には現在、1部と2部、マザーズ市場などに計約3700銘柄が上場。取引停止により売買の注文を受け付けられず、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)も算出されていない。
 売買の全面停止を受け、顧客からの問い合わせが殺到するなど証券会社も対応に追われた。
 一方、株式先物などを扱う大阪取引所では通常通りの取引が行われている。指標となる日経225先物12月きりは午前11時半現在、前日比120円高の2万3300円で取引されている。市場関係者からは「売買再開後には株価が乱高下しやすくなる」(中堅証券)と警戒する声が聞かれるほか、「株価上昇局面にある中では慌てふためく必要はない」(別の中堅証券)と冷静な見方もあった。
 東証では、2005年11月にシステム障害により株式売買を全面停止。06年1月にも、旧ライブドアに対する強制捜査をきっかけに殺到した売り注文を処理し切れず、全銘柄の売買を停止する事態に発展した。(2020/10/01-13:15)

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