海洋放出、27日にも決定 福島第1原発の処理水―政府
政府は19日、東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含んだ処理水について、薄めて海洋に放出する方針を27日に決定する方向で最終調整に入った。廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議(議長・加藤勝信官房長官)を開催し、決める。
海洋放出に関しては、風評被害を懸念する漁業関係者らが反対の姿勢を崩していないが、政府はこれ以上決定を先送りすれば廃炉作業の遅れが避けられないと判断。経済産業省は19日までに、原発が立地する双葉町や大熊町の関係者に対し、関係閣僚らによる対策会議が27日にも開催されるとの見通しを伝えた。
福島第1原発では、原子炉建屋に地下水や雨水が流れ込み、高濃度の放射性物質に汚染された水が大量に発生。東電は一部の放射性物質を取り除き処理水として敷地内のタンクで保管しているが、2022年秋ごろ満杯になる見通しだ。(2020/10/19-20:26)