富山知事に新田氏初当選 自民分裂、現職5選阻む

2020.10.26
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by 時事通信


新田八朗氏

新田八朗氏

 任期満了に伴う富山県知事選は25日に投開票が行われ、無所属新人で日本海ガス前社長の新田八朗氏(62)が、5選を目指した現職の石井隆一氏(74)、NGO代表で新人の川渕映子氏(71)の無所属候補2人を破り、初当選を果たした。自民党県連は石井氏の推薦を決めたものの、一部県議らが新田氏の支援に回り、事実上の分裂選挙となった。投票率は過去最低の前回(35・34%)を大幅に上回る60.67%だった。
 新田氏は、昨年12月にいち早く出馬表明。企業経営の経験を生かし、民間のスピード感を取り入れた県政運営や、経済の立て直しを訴えた。自民県連からの推薦がない中でも、党所属の一部地方議員のほか、実姉で前北海道知事の参院議員や森雅志富山市長らの支援を受け、県内各地で浸透した。
 一方、自民、公明、国民民主各党の県組織からの推薦を得た石井氏は、新型コロナウイルス対策を最優先課題に掲げるとともに、財政再建などを進めた手堅い行政手腕をアピール。組織力を生かした選挙戦を展開したが、自民分裂の影響を受けて、票を十分に取り込めなかった。
 共産、社民両党の県組織からの「応援」を受けた川渕氏は、子育て施策の充実を主張したが、支持を広げられなかった。(2020/10/26-00:41)

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