女性皇族、結婚後に特別職 「皇女」創設、政府検討―公務の担い手確保

2020.11.24
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by 時事通信


記者会見する加藤勝信官房長官=24日午前、首相官邸

記者会見する加藤勝信官房長官=24日午前、首相官邸

 皇族減少に伴う公務の担い手不足の打開策として、女性皇族が結婚して皇籍を離脱した後も特別職の国家公務員と位置付け、皇室活動を続けてもらう制度の創設が政府内で検討されていることが分かった。「皇女」という新たな呼称を贈る案が有力。政府関係者が24日、明らかにした。
 皇室典範は、皇族女子が一般男性と結婚した場合、「皇族の身分を離れる」と定めている。現在、女性皇族は13人で、そのうち未婚は天皇、皇后両陛下の長女愛子さま(18)を含め6人。今後、皇族女子の結婚で皇籍離脱が続けば、皇族が担ってきた各種名誉職の継続などに支障が出るとの懸念が増している。
 政府は皇室典範の規定を維持した上で特例法を制定することを想定。政府高官は取材に「選択肢の一つだ」と語った。呼称を「元皇女」や「元内親王」とする案もある。
 女性皇族が皇籍離脱後も国家公務員として皇室活動を支援する案は、2012年に野田内閣が公表した論点整理に、女性皇族が結婚後も皇室に残る「女性宮家」創設案とともに明記された。
 公務員案については、女性・女系天皇など皇位継承の議論につながるものではないため、皇位継承の男系維持を訴える保守派の理解を得られやすいとの見方がある。同時に、17年に成立した天皇退位特例法の付帯決議で検討を求められた皇位の安定継承策にはならないとして慎重な意見も出ている。
 加藤勝信官房長官は24日の記者会見で、女性皇族の減少について「先延ばしすることができない重要な課題だ。国民のコンセンサスを得るため十分な検討と慎重な手続きが必要だ」と語った。(2020/11/24-17:11)

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