吉川元農水相を在宅起訴 鶏卵業者から500万円収賄―大臣室などで3回・東京地検

2021.01.15
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by 時事通信


【図解】吉川貴盛元農水相をめぐる事件の構図

【図解】吉川貴盛元農水相をめぐる事件の構図

 大手鶏卵業者から大臣在任中に現金500万円の賄賂を受け取ったとして、東京地検特捜部は15日、収賄罪で自民党衆院議員だった吉川貴盛元農林水産相(70)=北海道2区、議員辞職=を在宅起訴した。鶏卵生産会社「アキタフーズ」(広島県福山市)の秋田善祺前代表(87)も贈賄罪で在宅起訴した。
 起訴状によると、吉川元農水相は養鶏業界に有利な取り計らいを受けたいとの趣旨と知りながら、在任中の2018年11月、秋田前代表から東京都内のホテルで200万円、19年3月に大臣室で200万円、同年8月に大臣室で100万円の計500万円の賄賂を受領したとされる。
 関係者によると、秋田前代表は現金提供の際、ストレスを減らす環境で家畜を飼育する「(動物福祉)」に基づく国際基準案が国内業者に不利にならないよう要望したほか、政府系の日本政策金融公庫から養鶏業界への融資条件の緩和を求めていたという。
 吉川元農水相は、在任中を含む数年間に前代表から現金計約1800万円を受領したとされ、特捜部は500万円について大臣の職務に関する賄賂に当たると判断した。
 在宅起訴を受け、元農水相は「申し訳なく思う。自分の認識を裁判所にしっかりと説明し、公正な判断を仰ぎたい」とのコメントを発表した。(2021/01/15-17:22)

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