福島第1原発事故、国の責任否定 津波予見できず―控訴審判断分かれる・東京高裁

2021.01.21
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by 時事通信


東京電力福島第1原発事故をめぐる訴訟の控訴審判決を受け、「不当判決」などと書かれた紙を掲げる原告団=21日午後、東京高裁前

東京電力福島第1原発事故をめぐる訴訟の控訴審判決を受け、「不当判決」などと書かれた紙を掲げる原告団=21日午後、東京高裁前

 東京電力福島第1原発事故で、群馬県などに避難した住民91人が国と東電に計約4億5000万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が21日、東京高裁であった。足立哲裁判長は「国は巨大津波の発生を予見できなかった」と述べ、一審前橋地裁判決のうち国に賠償を命じた部分を取り消した。東電の賠償額は一審よりも増額し、自主避難区域の住民も含めて90人に計約1億2000万円の支払いを命じた。
 国を相手取った原発事故をめぐる訴訟の高裁判決は2件目。昨年9月の仙台高裁判決は国の責任を認めており、判断が分かれた。原告側は判決を不服として上告する方針。
 足立裁判長は、巨大地震発生の可能性を指摘した政府の地震調査推進本部による2002年の「長期評価」について、同年に土木学会が公表した知見と整合せず、国が長期評価から津波の発生を予見できたとは言えないと判断した。
 さらに、実際の津波は規模や態様が東電の試算と大きく異なり、防潮堤設置や水密化対策では事故の発生を回避できなかったと指摘。「国の対応に問題があったと認めるのは困難で、規制権限を行使しなかったことが違法とは言えない」と結論付けた。
 避難者が国を提訴した集団訴訟で初の一審判決となった前橋地裁は17年3月、津波の発生は予見可能だったとして、国と東電に計約3855万円の賠償を命じた。
 代理人弁護士によると、原告91人のうち1人は既に死亡。30人は福島県内に帰還し、60人は群馬県を中心とする福島県外で暮らしている。(2021/01/21-18:58)

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