財政黒字化、29年度変わらず 健全化目標に4年遅れ―内閣府試算

2021.01.21
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by 時事通信


【図解】国・地方の基礎的財政収支

【図解】国・地方の基礎的財政収支

 内閣府は21日、政府の経済財政諮問会議(議長・菅義偉首相)に中長期の経済財政試算を提出した。財政健全化の目安となる国と地方の基礎的財政収支(PB)黒字化の実現時期について、名目3%超の高い経済成長が続く「成長実現ケース」では2029年度と試算。新型コロナウイルス感染拡大による景気悪化を踏まえ、2年先延ばしした昨年7月の前回試算から変えなかった。政府目標である25年度黒字化の達成は極めて困難な状況だ。
 PBは政策経費を借金に依存せず、税収でどれだけ賄えているかを示す指標。感染症対策のため3次にわたる大型補正予算編成もあり、PB赤字は20年度に69兆4000億円、21年度に40兆1000億円の巨額に上る。
 その後、景気回復とともに徐々に改善に向かうと見込むが、前回試算と同様に25年度には7兆3000億円の赤字が残る。現実的に名目1%台前半で推移する「ベースラインケース」では、赤字額が30年度に10兆3000億円となる。(2021/01/21-20:41)

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