迫る聖火リレー、焦りと不安 群集危惧、観覧自粛も視野―コロナ対策で各自治体

2021.01.23
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by 時事通信


俳優の石原さとみさんらがランナーを務めた昨年の聖火リレーリハーサル=2020年2月15日、東京都羽村市

俳優の石原さとみさんらがランナーを務めた昨年の聖火リレーリハーサル=2020年2月15日、東京都羽村市

  • 応援自粛の呼び掛けの中、箱根駅伝の沿道には大勢の人が集まった=3日、横浜市鶴見区

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、半年後に迫った東京五輪開幕。さらに目前に控えるのが、全国を巡回する聖火リレーだ。沿道の密集対策として観覧自粛を視野に準備を進める自治体もあるが、群集心理は読みづらいこともあり決め手はなく、担当者は焦りを募らせる。
 聖火リレーは3月25日にスタートし、約1万人のランナーが参加する。感染対策のガイドライン(指針)は、組織委員会が自治体などの意見も採り入れて策定中で、ある自治体幹部は「沿道での観覧自粛を求めるのか、著名人ランナーを維持するのかなど肝心の方針はまだ分かってない。一刻も早く決めてほしい」と要望する。
 「とにかく間に合わせたい」と語るのは、スタート地点となる福島県の担当者だ。「感染対策を第一」に掲げ、待機場所や祝賀会場の消毒、マスク着用の徹底のほか、沿道での観覧自粛要請も念頭に、県職員らが密集警戒に当たる予定。ただ、「警戒要員が多過ぎると、大勢が集まっていると見られて人を呼び込むきっかけになりかねず、適正な人員は見通せていない」と苦慮する。
 2番手の栃木県の担当者も、観覧自粛を求めざるを得ないとみている。スポンサー企業が音楽やダンス、グッズ配布で沿道を盛り上げる計画もあるが、「認めれば大勢の人に来てくださいと言うようなもので、密集対策と相反する」とくぎを刺す。昨年3月、ギリシャ国内の聖火リレーが人の殺到で中止になった例もある。担当者は「聖火を途切れることなく東京まで無事に届けたい」と意気込む。
 とはいえ、聖火リレーと感染対策は二兎(にと)を追うようなもの。北海道の担当者は「聖火リレーがそもそも人の集まることを想定したイベント。自粛を呼び掛けても来てしまうだろう」と話す。東京都の幹部は、年明けの箱根駅伝の光景が頭をよぎる。主催者側が応援自粛を呼び掛けたにもかかわらず、復路でゴールに近づくにつれて沿道に大勢が押し掛けた。「自粛を求めるにしてもどう呼び掛けるかも課題だ」と悩みは尽きない。(2021/01/23-07:20)

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