コロナ禍の春闘スタート 経団連「雇用最優先」―賃上げ、厳しい交渉に
2021年春闘の幕開けとなる「経団連労使フォーラム」が26日、開かれた。新型コロナウイルス禍で先行き不透明感が強い中、経団連の中西宏明会長はあいさつで「事業の継続と雇用の維持を最優先」にする考えを強調。一方、連合の神津里季生会長は「どうやって賃上げの流れ、モメンタム(勢い)を維持するかが最大のテーマだ」と訴えた。
中西氏のあいさつは経団連事務局が代読した。大企業の賃上げ率は昨年まで7年連続で2%以上を確保してきた。中西氏も「賃金引き上げのモメンタム維持を期待する」との姿勢を示したが、コロナ禍が重くのしかかる今春闘は、賃上げと雇用をめぐり厳しい交渉が繰り広げられそうだ。賃上げが低水準にとどまった場合、個人消費の減速を通じて景気に影響する可能性もある。(2021/01/26-19:09)