日本人歌手、英音楽賞の有資格者に 「アートに国境なし」と規則変更

2021.02.26
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by 時事通信


英国で活動する日本人歌手リナ・サワヤマさん(Greg Lin Jiajie氏提供)

英国で活動する日本人歌手リナ・サワヤマさん(Greg Lin Jiajie氏提供)

 【ロンドン時事】英国の著名な音楽賞であるマーキュリー賞などの候補者資格規則が変更され、今年から英国籍がなくともノミネートされることが可能となった。英国育ちの日本人歌手リナ・サワヤマさんが昨年、英国籍がなく資格を得られなかったことから規則変更を求めて問題提起したことがきっかけ。一連の動きは「音楽と国籍」をめぐり国内で大きな関心を呼んでいた。
 英各メディアが25日報じたところによると、賞を運営する英レコード産業協会が、サワヤマさんとの協議を経て、英国もしくはアイルランド国籍保持者に限るとしてきた候補者規則を変更。新ルールの下では(1)英国生まれ(2)英パスポート保有(3)英永住権を5年以上保持―のいずれかを満たせば有資格となり、サワヤマさんも候補になれる。
 新潟県出身のサワヤマさんは幼少時に家族と渡英。以来26年英国に住み、永住権も取得したが、日本が二重国籍を認めていないため現在も日本国籍を維持している。賞の資格を得るため日本国籍放棄も検討したが、「何の解決にもならない」と考え、規則変更を求めて発言を始めたという。「アートが国境をつくり出すのは問題」との訴えが共感を呼び、支援の輪が広がった。
 自身の訴えが認められたサワヤマさんは、ツイッターで「とても幸せ。世界中にこの運動を広め、英国人らしさに関する重要な論争に火を付けてくれたことに感謝する」と喜びを語った。(2021/02/26-20:34)

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